MINI John Cooper Works フロント・リアの検証

今日はBMW MINI John Cooper Works(F54)にリジカラの検証と取り付けを行いました。

オーナー様からは詳細な装着後レポートを頂きました、ありがとうございます。

 

フロントの締結ポイントは黄矢印の8箇所です。

 

F-1締結部です。

 

F-2締結部はロアーアームブラケットです。

 

F-3締結部です。

F-1~F-3の赤表記部分はボディとサブフレームの間にリジカラを挟み、
青表記部分はサブフレームとボルトの間に装着します。
フロントのリジカラは合計12個を使用しました。

 

 

リアの締結ポイントは黄矢印の4箇所です。

 

R-1締結部です。

 

R-2締結部です。

R-1とR-2の赤表記部分はボディとサブフレームの間にリジカラを挟み、
青表記部分はサブフレームとボルトの間に装着します。
リアのリジカラは合計8個を使用しました。

 

F54型のMINI John Cooper Worksは、F60型のMINIやF45型BMW 2シリーズと
リジカラの互換性がありました。

 

BMW MINI John Cooper Works(F54)

フロント用
品番:50261-F45-000 ¥23,760(税込)

リア用
品番:50300-F45-000 ¥23,760(税込)

 

オーナー様よりインプレをいただきましたので、コピペでご紹介します。

帰り際にあれこれ試しました。

・ハンドリングが軽くなった

・ブレーキング時の挙動が安定した

・コーナリング時の修正舵の減少

こんなあたりが感じ取れました。全体的には、アライメントを取り直したような挙動です。

多くのレビューでハンドリングが重くなったというモノを散見しましたが、私の場合は逆でした。
おそらく、F54のフロントはロワアームが進行方向に対して開いた形になっており、これをブッシュ類が”ごまかして”直進性を保っていたために、常にトー角が一定ではない動きだったのが改善されたためかと思われます。

同様に、フロントのトー角の安定が顕著に感じられ、これがブレーキング時のフロント挙動の不安定からの解消かと思われます。
そもそもF54JCWは、フロントのみブレンボという歪なストッピングパワー配分ですので、安定的なブレーキングをするために、いわゆるリアの引きずりが発生しにくく、フロント側へのつんのめり挙動を示します。
この時に路面のギャップを拾いすぎる傾向があったのですが、この時の荷重変化によるジオメトリ変化が良い方向の影響が出たのではないかと思います。

コーナリング時の修正舵については、舵角に対して横方向からの力が入力された場合の力の逃げ場が、複数のベクトルだったものが一定方向になったためかと感じました。
ハンドリングインフォメーションが増しましたし、ハンドリングに対して操舵入力が安定しており、入力速度とアタマがインに向いてくる速度が一定的になったため、いわゆる「想像した通りに動く」ハンドリングになりました。
取り急ぎフロントに関しては、一般公道を走るレベルでは、オンザレール感覚でラインをトレースすることができるようになりました、ありがとうございます。

さて、リア周りに関してですが、私の感性が鈍いせいもあり、帰宅公道レベルでは挙動の変化が感じられませんでした。
フロントとリア片方ずつの取付でしたら、もう少し気の利いたレビューができたかもしれません、申し訳ありません。

後日某所にてリアを振り回してみた時にでも挙動の変化が得られましたら報告いたします。

想像では、リアのブレーキパッドを変更し、前後のブレーキバランスを整えたあとで変化が見られるかと考えています。
つんのめりが解消され、長いブレーキングで時間をかけた荷重移動を行った際、前への荷重変化とともに、車体そのものの車高が下がる時にリア周りの挙動変化が感じられるのでは?と思っています。
ヨーが残った時にでも安定した挙動が感じられたら嬉しいかなと期待です。

では、本日はありがとうございました。

 

引き続き、その後のインプレッションもいただきました。

ブレーキのパッド交換にて、前後の効きバランス調整も終わりましたので、軽くテストを行ってきました。

まず、F54JCWの挙動として特徴的な部分を記します。 

・長いホイールベース

・横置きFFベースのため、トレッドの割にはロワアームが短い

・リアサスペンションのコントロールアームの強度不足

・前後ブレーキバランスが変にフロント寄り(調整済み)

・重量物がややフロント軸より前(に感じる)

・フロントロワアーム近辺の剛性不足

・良くも悪くもリアマルチリンク式による、ロール時のフロントキャンバー角とのズレ

⇒アライメント調整にて、リアキャンバーを若干つけることで解消する気がします

・リアデフが三菱のAYCのような動きをする

・リアタイヤがグリップ限界付近に達した際、外側のリアへ駆動トルクを配分し、発生させたヨーに対して、相殺するように外側のリアタイヤが回り込もうとする
⇒尚、同様にフロント側も外側へのトルク配分を制御しているように感じます

・終始一貫した弱アンダー傾向の車体づくりと方向性

・車体としてはドアンダーなジオメトリであるにも拘らず、電子制御で相殺している印象

このあたりが特徴として挙げられます。

 

これを踏まえ、以下のテストを行いました。速度域は比較的速いとだけ記載しておきます。

①フロントへの荷重移動はするものの、一般的なフロントアンダー志向のコーナリング

②積極的なフロントへの荷重移動で進入し、穏やかなアクセルワークで横Gをコントロールするようなコーナリング

③積極的なフロントへの荷重移動を行い、積極的な踏み込みでGをリア外側へ移動させるようなコーナリング

④長いブレーキングで車高を下げて進入し横Gは発生させるが、ヨーを極力リアタイヤが受け止めようとするコーナリング

 

結論からになりますが、①、③はあまり効果を感じられませんでした。
原因と思われる要素はそれぞれ違います。

①は一般的なドライバーを想定しました。

インに早くつきすぎて、出口で踏み切れないパターンで、リアを使い切れていないという想定。

とは言え、よくこのミスしちゃいますよね(笑)。

昔のFF車にありがちな、ただついてるだけのリアタイヤをフロントが引っ張るような動きになりますので、クルマとしての主体性はあくまでも操舵輪であり駆動輪であるフロントに依存します。

当然ながら、あまりリアからの効果は感じられませんでした。リアへのストレスは大きくないと思われます。

③はダートラ、ラリーでの4WDっぽい入力を想定しました。

ブレーキングからアクセルオンまでのパーシャルが非常に短いタイプの操作ですが、この場合、電子制御リアデフが変に動作することが問題で、結果として効果は感じにくかったです。

進入から強いヨーを発生させますので、リア回り込みによる強い巻き込みオーバーを期待していたのですが、想定する車体の巻き込みは起きませんでした。

リアの電子制御デフのせいだと思いますが、機械式LSDを想定して操作をすると、イメージと違う動きをします。

これにより、慣性で発生させたヨーをリアが動的に回り込むことで打ち消す動きがリア外側から発生し4WSっぽい動きをします。

車体に対しての入力は大きいので一番効果が得られるかと期待したのですが、電子制御リアデフが感性をボケさせてしまうようです。

若干ですが、リア巻き込みが穏やかになったように感じられましたので、想定される動きとしては、おそらくリジカラ装着前はコーナリングフォース発生時のリアトーアウト傾向のヨレがあったが、これが正規化されたのではないかと思います。

 

②、④は比較的わかりやすく挙動に変化を感じました。

結局②も④も、出口でのアクセルワークの差であり、F54JCWという車体の癖は横Gやヨーよりも、ロールでの挙動変化が車体に対して影響する比率が高いことかと思われます。

②④どちらのパターンでも、リアイン側のリフト量は減りますし、特に④のパターンでは電子制御リアデフは変なトルク配分をしにいかず、左右のトルク配分は50:50に近い状態だと思います。

低ミュー路ではないので、前後配分は比較的FFに近い状態ではあると思いますが、ある程度はリア側へのトルク配分は感じられます。

Gは斜め後ろ側への変化していきますが、F54JCWはヨーの中心ポイントがセンターコンソールより若干リア寄りになりますので、感覚としては真横にGがかかっているイメージになります。

この際の変化としては以下の2点が感じられました。

・リア跳ねの軽減

・巻き込み速度の安定

リア跳ねについては、もともと車重に対してリアサスペンションの許容量が低い、またリアキャンバー角が今回の入力想定より立っているため、リアタイヤを意識的に使おうとするとキャパオーバーし跳ねる挙動を示します。

ですが、リジカラ装着後、おそらく起きている現象は、リアのモノコックフレームとの接合部が密になったことにより、リアショックの仕事量が増え、適切な減衰を示すようになったことによる安定化かと思われます。

以前は、浮いていたというほどの極端な表現ではないのですが、おそらくは接合部が動いてしまっていたのではないか?と考えられます。

巻き込み速度の安定につきましては、もともとの車体の癖、挙動としては、やはり強度不足のリアコントロールアームによるものが大きいかと思います。

他社から対策品(もっとも車高調サスペンションの調整用が主ですが)が販売されているあたり、各ショップでも認識しているウィークポイントかと思われます。

このコントロールアームへ力が逃げる前に、当然ながらリアハブに集中負荷がかかるわけで、この負荷による前記いたしましたリアのトーがアウト方向にヨレてしまう現象が軽減されたことが改善された点かと思われます。

結果としては、クリッピングポイントからのアクセル操作に対して、リアは穏やかな挙動を示すように改善されました。

更にクリッピングポイントをラインで捉えるような操作をすると、例えるならスキーのカービングターンのような気持ちのいいコーナリングへと変化しました。

ですが、一般的なドライバー目線ですと、リアへの装着は劇的な変化は感じられないように思います。

私目線ですが、F54のリアサスペンションは、思っていたよりもリッチなものであり、ストラット式よりは路面に対してのキャンバー角変化は起きにくいため、一般ドライバーでは装着感はあまり得られないように感じました。

また、試乗車にてF54クーパーS(要は2WD)との乗り比べもしてみましたが、4WDに装着される電子制御リアデフは、有りと無しでは全く違う挙動を示します。

そのため、FFや、FFベースの4WDの挙動を理解し、リアを使える人と使えない人では(リジカラのリアは)感覚が全く違うものとして捉えるパーツであると感じました。

追記となりますが、ウチの家内の感覚では、以前報告あげました、

・ハンドリングが軽くなった

・ブレーキング時の挙動の安定

これらは感じられたようです。

総括ですがリジカラ、製品志向として、とても良い商品だと感動しました。

仰っていた、ボディ剛性という土台作りに対しての重要性を再認識させる逸品であり、この年令になってで尚、車というモノに対しての理解を深めていきたいと感じました。

 

早速、知人に勧めている次第です。ありがとうございました。

 

詳細なレポートをいただき、ありがとうございました。

 

 

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